ふたご座の興味津々

「ふたご座」の一級建築士が興味津々なテーマについて語るコラム

建設業の【職人単価】は職種・地域によってこんなに違う!

 

建設業にはどんな職人さんがいるのでしょうか?

建設現場は様々な職人さんによって、
住宅から大規模建築物まで大小様々な建物が建てられておりますが・・・

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一般に建設業の職人さんって・・・どんな職人さんがいるのでしょうか?

鉄筋屋さん、大工さん、サッシ屋さん、屋根屋さん、設備屋さん、電気屋さん・・・
多種の職人さんがいるので挙げていたらキリがないですが!

ちなみに大工さん・・・

皆さん、大工さんは知っていると思いますが、
皆さんが知っている大工さんは住宅などを建てているいわゆる「大工」さん。

最近ではハウスメーカーの住宅やマンションなど木を使う内部の造作を造る
「造作大工」さんのことを一般的には「大工」さんと言っていますが・・・。

それでは「型枠大工」さんって聞いた事があるでしょうか?
文字通り「型枠」を作る大工さんです。
鉄筋コンクリートの建物には欠かせない大工さんです。

鉄筋コンクリートの建物は鉄筋を組んでコンクリートを流し込んで造る訳ですが、
この流し込む型を「型枠」と言います。
この「型枠」を造る専門の大工さんのことを「型枠大工」さんと言います。

私もSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のビルの現場監督をやっていた頃は、
この「型枠大工」さんに大変お世話になりました。

このように、建設現場には皆さんが知らない職人さんがたくさん働いています。

 

地域によって職人さんの単価が違う!格差?

そんな建設業の職人さんですが、物価が地域によって違うのと同様に、
建設業の職人さんの人工(単価)も地域によって格差があります。

一般に地方よりも大都市圏での単価が高いと思われがちですが、
統計を見るとそんな事は無く、東高西低の傾向があるようです。

ちなみに先ほどの「大工」さんの公共工事の単価で言うと・・・
安値:1万9千円台に対し、
高値:2万5千円台と地域によって数千円の開きがあります。

 

職種によってこんなに違う日給の違い!

先日、国交省から・・・
「平成29年3月から適用する公共工事設計労務単価」が発表されました。

都道府県の単価(8時間労働)が出ていますが、
その中で東京都の単価を見てみると・・・以下の金額となっています。

とび工・・・25,900円      石工・・・25,800円
ブロック工・・・23,900円    電工・・・23,700円
鉄筋工・・・26,100円      造園工・・・20,100円
大工・・・24,300円       型枠工・・・24,700円
左官工・・・26,200円      はつり工・・・23,800円
配管工・・・20,900円      防水工・・・28,400円
板金工・・・26,400円      サッシ工・・・24,300円
内装工・・・26,200円      ガラス工・・・23,600円
ダクト工・・・20,700円     鉄骨工・・・24,400円
塗装工・・・26,800円      溶接工・・・28,700円

ご覧のように・・・
1日あたりの単価は職種によって数千円の開きがありました。

また、変わった職種では・・・
橋りょう特殊工・・・28,500円  潜水士・・・38,900円

なんで潜水士?と思うかもしれませんが・・・

現場によっては海中の建設作業を行う場合もあり、
潜水士免許を有した者が潜水器を用いかつ空気圧縮機による送気を受けて
海面下で作業を行うので単価も他の職種からみると高いです。

 

単価の高い現場へ職人さんは流れる?

地域によって 1日あたりの単価が違うことを先ほど書きましたが・・・

早朝に東京方面へ向かって走る会社名の入った職人さんの車を高速道路で
よく見かけます。

1日あたりの単価が5千円違えば・・・
ひと月あたり25日労働で換算すると・・・月で12万5千円も違ってきます。

同じ仕事をするなら単価が高い現場で働くほうがいいと誰もが思うでしょう?.

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そんな訳で出稼ぎではありませんが・・・
地方から東京へ職人さんが流れていると私の周りでもよく耳にします。

しかも、職人になる若者自体減っているので・・・
建設業の職人さん達の高齢化がどんどん進んでいるのが現実です。

あと、10年もすれば地方の職人はいなくなってしまうと・・・
周りの中小の工務店の経営者は不安を口にしています。

日本の建設技術は他国には無いすばらしいものがあります。

日本の建設技術を絶やさない為にも各職人の単価をもっと上げて、
魅力ある建設環境を早急に構築してもらいたいものです。

 

追記:2019.6.5 

職人単価は近年上昇傾向!2年前との比較

国交省から・・・
「平成31年3月から適用する公共工事設計労務単価」が発表されています。
東京都の単価(8時間労働)を2年前と比べてみました。※( )は平成29年

とび工・・・27,000円(25,900)     石工・・・27,300円(25,800)
ブロック工・・・25,300円(23,900)   電工・・・25,500円(23,700)
鉄筋工・・・27,200円(26,100)     造園工・・・21,700円(20,100)
大工・・・25,300円(24,300)      型枠工・・・25,700円(24,700)
左官工・・・27,300円(26,200)     はつり工・・・24,800円(23,800)
配管工・・・22,900円(20,900)     防水工・・・29,600円(28,400)
板金工・・・27,500円(26,400)     サッシ工・・・25,300円(24,300)
内装工・・・27,300円(26,200)     ガラス工・・・24,600円(23,600)
ダクト工・・・22,300円(20,700)    鉄骨工・・・25,400円(24,400)
塗装工・・・27,900円(26,800)     溶接工・・・29,900円(28,700)
また、変わった職種では・・・
橋りょう特殊工・・・29,700円(28,500) 潜水士・・・40,500円(38,900)

ご覧のように・・・
職人単価は2年前と比べると全職種とも増加しており、公共工事設計労務単価の全国全職種平均値も平成9年以降で最高値となっています。 

 

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