ふたご座の興味津々

「ふたご座」の一級建築士が興味津々なテーマについて語るコラム

住宅市場の現状!大きな家に住んでいる都道府県民は?

 

住宅の着工件数で一番多かった年はいつ?

総務省の統計を見ると・・・

昭和34年度から昨年(平成28年度)までの住宅の着工件数が出ておりますが、
その中で一番着工件数が多かったのは、いつだと思いますか?

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ちなみに、昭和34年度は最も少なく382,016戸でした。

さて、正解ですが・・・昭和47年度の1,855,801戸だそうです。
昨年が974,137戸だったので・・・昨年のおよそ2倍の数値となっています。

昭和47年は田中角栄日本列島改造論を発表した年で列島改造景気が起きています。

近年では消費税の駆け込み需要があった平成8年度の1,630,378戸が最も多く・・・

平成20年度の1,039,214戸を最後に、それ以降毎年100万戸を切っており、2030年には54万戸まで減るとの予測も出ています。

 

旧耐震基準の住宅ストック数・・・

このように毎年着工してきた住宅ですが・・・
皆さんは「旧耐震」や「新耐震」という言葉を聞いた事があるでしょうか?

建築基準法は大きな地震や災害が起こる度に改正されてきた経緯がありますが・・・

我々建築を生業としている者にとって既存建物を調査する上で1981年(昭和56年)6月1日という日付が、ある重要なキーワードとなっています。

1981年(昭和56年)6月1日は、新たな耐震基準「新耐震」が施行された日で、今までの地震に耐える設計から大地震でも倒壊しない設計へと構造が大きく強化された日でもあります。

以前の記事でも簡単な説明を書いています!

hutago-za.hatenablog.com

では、大地震がいつ起きても不思議でないと言われ続けている中で、中程度の地震しか想定していない旧耐震の建物は全国にどの位あるのでしょうか?

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総務省の「H25住宅・土地統計調査」によると・・・

持家(戸建)、借家(戸建)、借家(共同)、分譲マンションの合計で、
1970年(昭和45年)以前・・・560.1万戸
1971~1980年(昭和46~55年)・・・808.4万戸

合計:1,368.5万戸もあるのです。

このような実態から・・・
自治体は耐震診断の促進と耐震改修が近々の課題となっております。

 

住宅ローン残高の推移・・・

それでは、気になる住宅資金のお話を!・・・

国交省の住宅市場動向調査によると・・・
首都圏の注文住宅の建築費の平均値は平成28年度で3,061.3万円となっています。

住宅を建てる場合、ほとんどの方が住宅ローンを組んで毎月返済していると思いますが・・・

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住宅金融支援機構の調べによると・・・

住宅ローン残高はここ10年間を見ると180兆円前後で推移しており、また、金利の低さから公的機関から民間機関への割合が増えています。

確かに設計をしていて、昔は住宅金融公庫を使う方が多かったですが、今は民間の住宅ローンを使う方がほとんどで、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)を使う方は減りましたね。

ちなみに、住宅金融支援機構のローン残高は平成27年度をみると・・・
全体で184.2兆円の内の9.6兆円しかありません。

 

大きな家に住んでいる都道府県民は?

1人あたりの住宅床面積を2013年のデータで見ると・・・

アメリカ:61.1㎡、ドイツ:46.1㎡、イギリス:45.7㎡、フランス:44.3㎡に対し、
日本は・・・39.4㎡との事です。

このような結果から・・・日本の家はウサギ小屋なんて揶揄もされますが、
調べると、日本でも大きな家に住んでいる都道府県民がいました。

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総務省の「H25住宅・土地統計調査」に「一住宅あたり延べ床面積の都道府県比較」が出ています。

つまり、
「一住宅あたりの延べ床面積が大きい」=「大きな家に住んでいる」という解釈で、
勝手にランキングにしてみました。

1.富山県 152.18㎡ 2.福井県 146.16㎡ 3.山形県 141.51㎡
4.秋田県 138.61㎡ 5.新潟県 134.93㎡ 6.島根県 130.73㎡
7.石川県 130.21㎡ 8.長野県 127.84㎡ 9.鳥取県 126.09㎡
10.岐阜県 124.23㎡ 11.青森県 123.31㎡ 12.岩手県 122.61㎡
13.滋賀県 122.05㎡ 14.佐賀県 118.31㎡ 15.福島県 114.63㎡
16.三重県 114.15㎡ 17.香川県 114.06㎡ 18.徳島県 113.96㎡
19.山梨県 113.27㎡ 20.奈良県 112.63㎡ 21.岡山県 111.71㎡
22.栃木県 110.24㎡ 23.和歌山県 110.23㎡ 24.群馬県 109.89㎡
25.茨城県 108.55㎡ 26.静岡県 105.42㎡ 27.山口県 104.60㎡
28.愛媛県 102.45㎡ 29.熊本県 101.66㎡ 30.大分県 99.88㎡
31.長崎県 99.54㎡ 32.宮崎県 98.53㎡ 33.広島県 97.29㎡
34.宮城県 97.07㎡ 35.高知県 95.69㎡ 36.愛知県 95.01㎡
37.兵庫県 94.91㎡ 38.北海道 93.08㎡ 39.鹿児島県 89.64㎡
40.千葉県 89.40㎡ 41.京都府 87.86㎡ 42.埼玉県 86.58㎡
43.福岡県 86.55㎡ 44.神奈川県 76.62㎡ 45.沖縄県 76.28㎡
46.大阪府 76.22㎡ 47.東京都 64.48㎡

このような結果となり、
大きな家に住んでいるのは・・・富山県民!(152.18㎡ 約46坪)でした。

1位の富山県と最下位の東京都では2倍以上の差があるとは・・・ね。

 

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